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6.補修・修正

補修
 さて、実釣の具合はどうでした?上手くいきましたか?上手くいった方もいかなかった方も、浮きにずいぶんと傷が付いていることに気が付くと思います。そうなんです浮きは結構大事に扱ってるつもりでも意外と傷が付くんですよね。
 まあ一番の原因は、何気なく竿を置いたときとか、餌付けの時などに岩やコンクリートで擦れたり、ぶつけたりというのが多いんですけど、塗装で使用する塗料が悪いと傷が付きやすいし、また下塗りが不完全だとえぐれたような傷ができ、そこから浸水してしまい、浮力が変わってしまったり、下手をすると中の木が腐食してしまうこともあります。

 ですから釣行後はよく傷を確認し、傷があった場合には一度良く乾燥させてから、補修に入ります。特に傷が深く、中の木に達しているような場合には、補修前に充分乾燥させてやることが特に重要になってきます。乾燥が充分でないまま補修を始めると、最悪の場合、中の木が腐食してしまいます。

 どの程度乾燥させればよいかは難しいところですが、まあ週末に釣行したなら次の週末に補修作業をするくらいがいいんじゃないでしょうか。ドライヤーなどで急速乾燥させる方法もあることはありますが、棒浮きの場合にはソリや曲がり等の原因になりますのでやめたほうが無難です。自然乾燥が一番よさそうです。充分な乾燥ができてから補修作業に入ります。

 小さな傷なら瞬間接着剤を含浸させておけば問題ありません。ちょっと見た目は悪くなりますが、まあ性能に変化はありません。もしえぐれた様な大きな傷が付いた場合には、まず傷に肉盛をします。バルサや桐の削りカスを埋め込んでそのまま瞬間接着剤で固めてしまい、再度塗装をしておけば取り敢えずは大丈夫です。自分で使用するだけのものならこの程度で充分でしょう。ひどい傷や折れた場合なども瞬間接着剤と再塗装で何とかなりますが、あまりひどいものはそのまま廃棄するほうが良いかもしれません。

 もし完璧に修復したい場合には、バルサパテ(木工用のパテでOK)という商品が模型屋さんにありますのでこれを使用します。一度全体にヤスリをかけ、塗装を剥がしてしまい。傷になった部分にバルサパテを埋め込み再度ヤスリで全体をきれいにして再塗装をします。まあここまでやるくらいなら新たにもう一本作ったほうが早そうです。

 私は今まで、浮きは使えば傷が付くものと考え、塗料自体にあまり気を使うことがありませんでした。ところが使う塗料によって強度に格段の差が出ることに最近気がつきました(遅いっちゅうねん)
釣具屋さんの自作コーナーなどにある、二液混合型のエポキシ系塗料などはかなりの表面硬度に仕上がります。補修の段階で仕上げとしてこれを使ってみてはいかがでしょう。

 また、これは製作段階でも言っていますが、下塗りの良し悪しで塗装強度がずいぶんと変わってきます。下塗りは出来るだけ丹念に何度も重ねて厚い皮膜を作ることが肝心です。ベースがバルサですと、加工は簡単ですが、強度に問題が残ります。どんなに下塗りを重ねても傷や凹みから逃れられません。出来れば桐材を使用するほうが無難です。バルサしか手に入らない場合などは、下塗りの前に瞬間接着剤を充分に含浸させて、表面の強度を少しでもあげておくことが必要でしょう。

 塗料についての考察は、続編の「円錐浮きの製作」のところで触れる予定です。また下塗りについては簡単・チープで最高の強度を発揮させる秘術も公開する予定です。お楽しみに。

修正
 実際に使用してみていろいろと不満点が出てくると思います。まあ新たにもう一本作ってしまうほうが手っ取り早いのですが、せっかくの作品ですから少し修正してみましょう。
 浮力の調整は比較的簡単にできます。実釣前の微調整と同じ手順で、足の部分にガン玉を追加したり、逆に錘を削ったりします。綺麗にに仕上げるならば、ガン玉ではなく板錘か、糸錘がいいかもしれません。どれを使用するにしても、再度の実釣の際に現場で再調整できるように固定せずにおき、実釣で感触を確かめた後で固定するようにしておくほうが良いと思います。

 塗装した色あいが悪く、見え難いとか、目立たないとかいった問題も出てくるかもしれません。浮きの目立ち加減は海の色や光の向き・強さでかなり変わってきます。海の色や濁り加減は、こんなに違うものかと思うほど変化しますし、朝日や逆光を受けたときなども、浮きの見え易さはさまざまに変化します。

 そこでいろいろな場面を広くカバーしようと思ったら、浮き自体を単色で仕上げるのは問題があるかもしれません。上部と下部を別々の色で仕上げることで、視認性はかなり改善されるようになります。一般に海中では黄色系の色が良く目立つようです。また逆光になった場合などは黄色系は目立たなくなります。そこで、浮きの上部を赤やオレンジなど逆光対応にし、下部を黄色や白など明るい色に塗り分けることで、かなり視認性は良くなってきます。

 逆に上部を黄色というのもありますが、浮きの上部は出来れば赤やオレンジなどの色にしておいたほうが良いと思います。サラシなど泡のある状態や、水面に泡が浮いているような状態のとき、また逆光の場合など、浮き上部が黄色や白だとまったく見えなくなる場合があります。

 また浮きトップも出来るだけいろいろな色で塗り分けられたものの方が視認性は良くなります。逆光でも視認性を損なわないという製品も市販されているようです。また色だけでなく形で目立たせる方法もあります。浮きトップの先端、もしくは途中に発砲スチロールのシモリ玉などを付けておくとかなり目立つようになります。私は先端に1cm以下の極小の玉浮きを付けたりしています。

 ただし、重いものはバランスを崩すだけでなく浮力にも影響しますので、出来るだけ軽いものを選ぶようにしたほうが良いでしょう。また付ける位置も喫水線から離して付けるべきです。小さな浮きをつけるようなもんですから、感度の低下につながります。

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