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1.浮きとは
    
 「浮き」とは、一般に魚釣りに使う道具の一つで、道糸やハリスに取りつけて水面(海水面)を漂わせ、魚が餌を咥えた動作を、沈む、揺れる、立ち上がるなどの動きに変えて、釣り人に伝達する役目を持つものである。
 よく間違えられる物に、"雨の多い時季"というのがあるが、これは「雨季」といって別のものである。また、"右の方に詳しく書いてある"は「右記」であり、これも「浮き」とは別のものである。どちらもワープロの誤変換でよく出現するので注意を要する。(「雨季」及び「右記」について詳しくお知りになりたい方は、本考察をこのまま読み進んでも答えは見つかりません。他の文献を探してください。)

 最近では「水中浮き」と称し、沈めるために使用する特殊な「浮き」が存在している。これなどはどうして「浮き」という名称を使用しているのか理解に苦しむ。本来ならば「沈め」であろうものである。が、オモリと違い水中で水流を受け、漂うがごとく振る舞うことから、特別に「浮き」の仲間に入れてあげてもいい。

 また特に最近、さらにややこしい釣法が全盛期を迎えようとしている。磯のフカセ釣りの発展形で、「沈め釣り」「沈め探り」と称する物で、浮きの浮力を極力落とし、海水とほぼ同一程度の比重にし、付け餌やハリス、針の重さのみでゆっくり沈めていく、という釣法である。中にはハリスにオモリをつけて、より積極的に沈めていく方法もある。これでも使用するのは「浮き」であり、決して「沈め」とは言わないのでこれも注意を要する。

 この様に「浮き」の定義は、もはや「浮く物」ではなくなっているのである。従って、「浮き」の自作において、オモリの調整を失敗して、どんどん勝手に沈んでしまうようなものでも、「これは、沈む浮きである」「沈めるための浮きである」と定義してしまえば、それは立派な成功作品となるのである。私はこの様な作品を過去に数々排出してきた。決して失敗などではない。断じて・・・。

 他にも「浮き」には重要な要素があり、付け餌を運ぶ役目、遠くへ投げる役目、障害物を避ける役目など、単に目印の粋を超えたさまざまな機能がある。自作浮きについても、これらの何れかの機能を持たせたと考えれば、失敗作というものはぐんと減ることだろう。いやよほどの事がない限り発生しないはずである。しかるに読者諸君も失敗を恐れることなく、「浮き」の自作に挑戦してほしい。

    

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