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5.最終調整から、いざ実釣へ

さてしばらく間が開いてしまいましたが、第5章へ進みましょう。第4章までで作成が終了した浮きを、実際に使用するための最終調整と、実際に釣場へ持ち込んで実釣するまでをまとめます。

 作成段階である程度の浮力調整はできているはずですが、高感度に仕上げようとした場合などは、特に塗装が終了した段階でまた浮力が変わってきているはずです。さらにはいざ完成してみたが想定と違う浮力設定に調整したいという場合もあるでしょう。
 棒浮きの場合、浮力調整は比較的簡単にできます。浮力が強すぎる(浮きすぎる)場合は最下部にガン玉を追加すればいいし、逆に浮力が少なすぎる(沈みすぎる、もしくは浮かない)場合は錘を削ります。まあどちらも限界がありますから、作成段階で何度かチェックしておくようにしてください。

 何本か作っていくと分かるのですが、実釣で使うと浮力の点でいろいろと問題点が出てきます。そこで作成段階のうちから、後の調整を考えた作り方をするようになっていきます。例えば取り付け用の足は、ガン玉の追加を想定して多少長めにするとか、錘の部分は塗装をしないで後で削れる様にしておくとか・・・

 最終調整は、風呂の浴槽か深めの水槽で行います。本来は海水を使用するのがいいのでしょうが真水で充分です。実際の釣場では波あり風ありで、調整どおりの浮力を発揮するのはかなり難しいと考えておいたほうがいいでしょう。従って、この調整の段階であまり厳密にやっても、実釣の段階でがっかりすることが多いので、ある程度適当にやっておいたほうが後の落胆が少なくて済みます。(^_^;)

 基本的に普段使用する仕掛けを用意し負荷調整をします。糸を30〜50cm程度に切り、普段使用する浮き止めを使い、想定したガン玉を糸につけ、サルカンを使用する人はサルカンをつけ、直結の人はそのままで。ああ、針までは付けなくてもいいです。その状態で水に入れ、浮き本体が丁度水面下に隠れ、浮きトップだけが水面上に出ているくらいになるように調整できればベストです。

 あと一つ、負荷の許容量を調べておきましょう。仕掛けをそのままでガン玉を追加していき、どの程度の負荷まで耐えられるかを測っておきましょう。G3二つとか、B一つとか、浮くぎりぎりの負荷を調べておきます。さらに今度はガン玉を全て外した状態で水に入れてみます。その状態で浮きがどこまで水面上に出てくるかを調べます。これらのテストは実釣の際、風・波や潮流に対応するためにガン玉を追加したりする場合、また根掛りを見極めたりするためにやっておいたほうがいいでしょう。
さてこれで調整は終わりました。あとは実釣を待つばかりです。

いざ、実釣
 浮きの実釣テストはできれば凪のときにしたいものです。ですが自然相手ですからなかなかそう上手くは行かないでしょう。まあいつも凪の中で釣りができるわけではないので、いい調整になると思いましょう。
 所定の錘をつけて仕掛けを作り、振り込んでみてください。インナーロッドを使用している場合にはあまり飛ばないと感じる人がいるかもしれません。そうなんです、円錐タイプと違い結構空気抵抗が大きいんですよね。だから遠投用はその分重めに作ったり、いろいろ工夫が必要です。

 実釣で使ってみてやっと良い点、悪い点が見えてきます。場合によってはほとんど使いものにならないなんて事もあるでしょう。でもがっかりしないで下さい、最初はそんなもんです。問題は次に生かすことで、それが重要な点です。そのためにはただ使えないではなく、どこがどう使えないのかをしっかりと分析することが必要で、その反省を踏まえて次回作は欠点を克服したものを作るようにする、ということが重要です。

 考えてみてください。いくらなんでも初めて作った浮きがそんなに完成度の高いものになると思いますか?そんなに簡単にできるくらいなら誰でも作ってますし、名人浮きなんていうものが売れるはずはないんですから・・・
 まあ最初は失敗すると思ってやったほうがいいでしょうね。次はもっとましな物を、その次はさらに良い物をとだんだん深みにはまっていきます。浮き作り・・・奥が深いです。

 さあ、偶然にも良い浮きができてしまう人もいるでしょうね。そういう人はほんとに幸運であるか、もしくはよほど手先が起用であるか、あるいはこの講座をちゃんと読んだ人の何れかでしょう。いや、ちゃんと読んだ人は失敗してるかな・・・
 とにかく良い浮きができてしまった人は、そのスペックや作成方法をしっかりと覚えておきましょう。次に作る作品はそのスペック通りか、そのスペックを元にして負荷を変えたり大きさを変えたりすれば、いろいろな気象状況で使い分けのできる浮きセットが出来上がります。


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