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4.作ってみよう

 さて、いよいよ浮きの製作にかかりましょう。これまでいろいろと物理学的なこと、力学的なことを書いてきましたが、それらの特性を正しく理解していないと、まともな浮きが作れません。ただ単に見た目だけの浮きでいいなら別ですが、ある程度実戦に使用でき、それなりの釣果や使用感を期待するのであれば、やはり基本的なことを知っておいたほうがいいでしょう。

 また浮きそれぞれの長所・短所も考慮のうえ、自分の釣りスタイルに合った浮きを作成し、カラーリングとネーミングでオリジナリティーを出し、ちょっと自己満足を感じながらの釣行もなかなか楽しいものですよ。

 この章では実際に浮きの製作に入りますが、まず使用条件の設定をすることが第一でしょう。今までにも書きましたが、いろいろな自然環境の中で、唯一つの浮きで全てをカバーするというのはほぼ不可能です。
 そこでこれから作成する浮きを、どのような状況下で使用するものにするかをあらかじめ設定し、その使用条件下で最も使いやすい形状、重量、カラーリングにするように設計します。

 それぞれの状況下で最適な形状や重量は、すでに今までの章で触れていますので、忘れちゃった方はもう一度復習しておいてください。

@設計〜材料選び〜錘の重さ
 まず基本的な形状を決めます。棒浮きにするか、円錐浮きにするか、フォルムは上ふくらみか、下ふくらみか、重量は重めか、軽めかといった要素があります。その他にもいろいろな要素がありますが、最初はあまりこだわらずに、とにかく作って、使って改良するというのが一番です。あまり気張らずに気楽に作ってみましょう。取り敢えず今回は棒浮きの高感度タイプと、遠投タイプを作ってみます。

 設計といっても、何も図面を書いたり、複雑な計算をしたりといったことはありません。私の場合、まず埋め込む錘の重さを決め、そこから太さと長さを決めていきます。

 埋め込む錘は釣具屋さんの浮き自作用品のコーナーなどに売っている第一精工製「鉛キッド」をよく使用します。(写真中央)
 これには1号、1.5号、2号がありますが、私は1.5号を使用しています。
 これは浮き本体に埋め込める形状をしており、フォルムを綺麗に保つことができます。またカッターなどで削ることができますので、重さの調整も簡単にできます。
 高感度タイプはこの錘の埋め込み部分を切り取り、軽くして使用し、また遠投タイプではそのままで使用しています。

 本体には、加工の容易さからバルサを多用しています。これも釣具屋さんの浮き自作用品コーナーに売っています。太さも10mm、15mm、20mmとあります。ただし、かなり柔らかい材質なので、完成してから実釣に使用すると傷だらけになってしまいます。そこで全体に瞬間接着剤を沁み込ませたり、下塗り塗料を厚めに塗ったりしていますが、あまり効果がありません。桐材が手に入るならそのほうが確実です。

 今回は、高感度タイプには10mm、遠投タイプには15mmのバルサ円柱を使用します。長さは高感度タイプで本体が15cm位、遠投タイプで25cm位になる予定です。実際の長さは作りながら、行き当たりばったりで決めていきますので、あまりこだわらないようにしています(これで良く「設計」とかいえるものだ・・・)。まあ、材料によって重さのばらつきもありますし、細くすればその分長くしないといけませんし・・・(整形しているうちにどんどん細くなってしまう、というのが悲しい現実(^_^;))

 あと、浮きトップも必要です。これはプラスチックの中空タイプの軽いものがいいのですが、あまり軽いものでは強度に問題があります。磯場や堤防などに、ちょっとぶつけただけで折れたり、曲がったりしてしまいますので、いいものを選びましょう。太さは大体2mmから3mm位の物で、¥200〜400位ですので、あまりケチらないほうがいいでしょう。いろいろな色の製品があります、これは個人の好みで選べばよいのですが、赤・黄色などの目立つ色を多用したものの方が視認性が良くなります。

 さて本体の長さ決定ですが、本来なら錘の重量から本体に使用する木の体積を計算して長さを求めるのですが、たかが浮きを自作するぐらいで電卓を使用するのも馬鹿らしいので、とにかく錘を埋め込んじゃいましょう(写真)。そして本体部分は30cmくらいに切っておきます。
 そしていきなり水槽かお風呂に入れちゃいましょう。それでどこまで沈んだかをマークしておき、手早く水から取り出します。この作業はできるだけ素早くやってください。長く水につけておくのは厳禁です。そしてマークした位置の5cm以上上で切断します。
 浮き本体は、この後の工程でどんどん細くしていきますので、ここであまり短くしてしまうと、浮かない浮きになってしまいますので注意してください。でもそのときは錘を削って調整できますからご心配なく。

 ここまでの作業で、大体の浮きの性格や使用目的を決定してしまいます。まあここまでは、お金と時間(暇)さえあれば誰にでもできる作業ですが、この次の工程の「成型・加工」は手先の器用さが要求されます。
 いよいよ自作浮き作成の山場に入ります。

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