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にょろにょろ君との熾烈な戦い

釣りをしていると自然とのいろいろな戦いに遭遇します。魚との戦いだけでなく、天候・風・波、動物、昆虫、そして人・・・などなど。釣りをしている以上魚との戦いは避けて通れませんが、それが狙っている魚との戦いであれば、これこそ無上の喜びになります。しかし、外道との戦いとなるとこれが一転無情の極地になってしまいます。

 釣り人とは、いや人間とは身勝手な物で、狙っている魚以外は外道と総称して敬遠します。メジナを狙っていて黒鯛が掛かっても外道ですし、逆に黒鯛ねらいのときメジナは外道です。まあこのあたりは歓迎される部類ですが、俗にいう餌取り達はどこに行っても外道扱いですね。小メジナ、ボラ、ベラ、鰯、フグ、キタマクラ、ネンブツダイ、さらには海タナゴ、アイゴなんてのも困った外道です。でもそれらは、ある人達にとってはりっばな対象魚であったりしますし、何も釣れないよりはまだましかなといったところもあります。

 ところがどうにも困ったやつがいます。ウツボです。普通に浮きフカセをやっている分には、まず掛かることはないんですが、こいつは釣れた獲物を狙ってやってきます。スカリに入れた獲物を狙ってきます。
 姿形も無気味ですが、こいつの大胆さも不気味です。足元に浮かせているスカリに絡み付いて大穴を開けて獲物を失敬していきます。私も真鶴で2・3度こいつに出くわしていますが、そりゃもう鳥肌もんです。

 ウツボは御存知のように歯が鋭く、スカリに穴をあけるぐらい屁の河童です。そして体が細長いので小さい穴から進入して、獲物をさんざ食い荒らしてとっとと出ていってしまいます。初めてウツボの被害に遭った(気がついたのは)のは、1999年の12月の釣行(1999.12釣行記参照)でした。
 しかしその時は、幸いにもウツボの姿を見ていませんので半信半疑ではありました。スカリに大穴が空いていて獲物がいなくなっていたもので、岩にひっかけて切ってしまったものと思っていました。ところがたまたま近くで釣っていたジモピー(地元の人)に「ウツボにやられたねー」とか言われても、「まさかこんな足もとに出てくるわけないじゃん、なに知ったか振りこいとんねん」ぐらいにしか思ってませんでした。

 ところがその次の釣行(2000.01.04釣行記参照)で、なんと現場を目撃してしまったんです、ウツボにょろにょろがスカリにかぶりついている光景を。初めはスカリにゴミが絡んだのかと思い、気にも留めなかったんですが、なんだか動きがおかしい、どうもおかしい。もしやと思い良く見てみると、なんとほんとにウツボがにょろにょろと絡み付いて、スカリに穴あけ作業中だったのです。
 スカリの中のメジナはかなりキヅだらけになっていましたので、初めはスカリの上からかぶりついたのでしょう。しかしうまく食べられないので、スカリに穴あけをはじめたものと思います。(結構頭良いかも・・・・)

 初めは何とか追い払おうとしたものの、敵もさるもの、なかなか諦めません。仕方なく生け捕り作戦に切り替えました。(なんでまた生け捕りなんだか?)見事穴を開けて中に入ったところを難なく御用にしようと考えたのです。ところがにょろにょろ君、今日は歯の調子が良くなかったのか、それともじっと見つめられていたのが恥ずかしかったのか、作業を途中で中止して撤収してしまいました。

 生け捕り作戦は見事に失敗に終わりました。ですが、生け捕りに成功していたら、その時はどうしようとしていたんでしょう?自分でも分かりません。持って帰っても食べるわけでもないし、魚拓を取るわけでもないし、(そう言えばウツボの魚拓って見たことありますか?私はありませんが・・・)どうしようとしたんでしょう?あの時は精神が完全にどこかに行ってしまったようです。

 それ以来幸いなことに、にょろにょろ君とのご対面はありませんが、できるものなら二度とない事を祈っています。

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