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右向き魚拓の呪いの恐怖

 今から数年程前、釣りを始めて(正確には再開して)まだ間もない頃、自作の浮きを作ってはそれを試しに三浦に出かけていた。まあ釣りをやるというよりは、自作の道具で釣りの雰囲気を楽しんでいたという方が正しいか・・・。 行く場所といってもアクセスの楽なところ、お手軽なところが優先、従って釣果のほうは言わずと知れた物だった。

 そんな私が中学生時代に何度か行った事のある真鶴へ通うようになったのは、べらぼうに魚影が濃いこと。なにしろコマセを撒けば、コッパメジナが池の鯉よろしく、辺り一面真っ黒になるくらいに群がる光景を見てからだった。
 真鶴へ行きさえすれば、コッパの50や100は楽に釣ることができ、自作浮きの成果に満足することができた。今にして思えば別にどんな浮きでも釣れる訳で、それが割り箸でも、鉛筆でも、そこらの木切れでも水に浮きさえすれば魚が勝手に掛かってくるという事など考えもしなかった。
 そんな訳で、数だけは釣れていたが、なぜか大きいのが掛からない、きっと真鶴には大きいのはいないんだなぁと勝手に決め付けていた。

 ところが5月のある日、真鶴は福浦漁港の堤防でいつものように数釣りを楽しんでいたとき、かつて経験したことのない強烈な引きで大物が上がった。尾長メジナの25cmだ。メジナも25cmを超えるとほんとに魚らしくなる、というかお皿に載せても恥ずかしくない立派な大きさになる。
 まあその日は嬉しくて嬉しくて、とにかく魚拓を取ろうと家に持って帰った。私は基本的にスポーツフィッシングなので(私の釣りに関するポリシー参照)、釣っても極力リリースする事にしていたが、このときばかりは別だった。

 家に帰って鼻高々で子供達に見せびらかし、魚拓を採る事にした。子供の習字道具を借りて墨を塗り、紙を乗せて、ハイ出来上がり。なんだ結構簡単できれいにできるもんだね。
 満足感一杯で見事な魚拓を壁に貼り、じっくり眺めているとあることに気づいた。なんか魚の向きがおかしいような気がする。釣りの本を見てみると魚拓は何故かみんな左向きにできている。ところが私の自信作は魚が右を向いている
 まあ向きは変だが魚拓は魚拓、記録を残す物だから向きなんか関係ないか。それにしてもみんなはどうして左向きにするんだろう?

 これが呪いの始まりになろうとは夢にも思わず、見事な魚拓は我が家の寝室の壁を飾りつづけていた。2年間も・・・・。

 それからの2年間というもの、何度釣行しようが、何処に行こうがけっして25cmを超えるメジナが釣れる事はなかった。メジナ以外は結構大きいのが釣れて、特にアイゴなんかは一日で37cm、39cmを釣ったり、ボラも丸太んぼみたいなのが釣れる事はあっても、メジナだけは25cmを越える事はなかった。まる2年間も・・・・・

 皆さん魚拓を採るときには、魚の向きに注意しましょう。魚拓は左向きです。魚が左を向けば魚拓は右向き。魚が右を向けば魚拓は左向きです。そんなこといわれなくても分かりそうなモンですが・・・・呪いが怖いですよ・・・・

 さてさて、まる2年の呪いが解けた後の快進撃は1999年の釣行記で・・・

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