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真冬の海に浸かる

 釣りをしていると自然との触れ合いが結構あります。魚や動物、鳥や昆虫など、その季節に応じたいろいろな自然に触れることができます。私が釣りに行く大きな理由の一つとして、この自然に触れることの楽しさを味わうというのがあることは否めません。(ほんとは怖いおかあちゃんの目の届かないところに非難するのが一番の目的であるが・・・)

 さて自然ですから、心地良い楽しいものだけとは限りません。雨・風・波・雷など天候が悪くなったときには生命の危険を実感します。しかしそれがまた普段の仕事中心の生活にない、新鮮なスリルであったりします。まあスリル程度で済んでいるうちはいいんですが、実際に事故に合い怪我をしたり、命を落としたりする人がいるのも現実で、そういうことを考えると決して自然を侮ってはいけないと常々考えています。

 かく言う私も命の危険とまではいかなくても、下手をすれば大怪我につながったかも知れないと言う経験が何度かあります。テトラで足を滑らせたり岩場で転倒したり、まあ反射神経が鋭いためか、足が長いためか(なんの関係が・・・)、幸い大事にならずに済んでいます。
 そんな危険なものではなくても、擦り傷、切り傷なんてのは日常茶飯事ですし、釣行のたびに筋肉痛に陥り、数日間は出来の悪いロボットのような歩き方になるのはいつものことです。

 しかし自然相手ですから、釣行のたびに実にいろいろなことがあります。波にまつわるエピソードも数え切れません。比較的穏やかだった海から突然ヨタ波がきて、頭から全身ずぶ濡れになるなんてことは得意種目の一つです。
 めじっこクラブ会長のばらさんとの釣行でも、城ヶ島の展望台下の磯場の比較的足場の高い場所で、まさかここならどんなことがあっても波を被ることはないだろうという場所で、突然のヨタ波に二人同時に全身シャワーを浴びたこともありました。ヨタ波怖いです。突然ですし、後にも先にもその一発だけなんですよね。

 また数々の経験の中でもひどかったのは、残ったコマセを流しているときに正面から大波を被った時でしょうか。コマセと一緒に波が頭から降りかかってくるんです、そらもう悲惨です。全身コマセまみれになる快感は経験した人でないと理解できないものでしょう。特に私は電車釣行が多いので、帰りの電車を考えると憂鬱になります。またそんなときに限って電車が途中で止まっちゃったりするんですよね。もう狸寝入りする以外方法がありません。

 ところで皆さんは真冬の海に浸かった事がありますか?私は12月の海に胸まで浸かった事があります。忘れもしません、真鶴・対石の磯です。この時もばらさんとの釣行でした。ばらさんは腰の調子が悪く、なにしろご老体ですので、釣座探しの偵察は私の役目です(そういえばあの頃はまだ朝一緒に行ってたんだ・・・)。その日も私が偵察しながら先行し、いい場所が空いていたもので、そこに荷物を置いてばらさんの荷物運びの手伝いに向かおうとしたときです。
 ばらさんから、「あっ荷物が!」という声が聞こえ、ふと振り返ると私のドラムバッグがコロンコロンと転がっているではないですか。あっと思う間もなく、海にドボン!!

 幸いなことに手を伸ばせば掴めそうなところにあります。必死で掴もうとしてみますが、荷物満載でパンパンのドラムバッグが、逆さになって浮いているので指が引っかかりません。そうこうしているうちにだんだん沈んでいくようです。
 こらイカン、沈んだらえらいこっちゃ。ふと見ると左側に膝くらいまで浸かれば何とかなるような岩の出っ張りがありました。えーいこの際膝下を濡らす覚悟であそこに足を掛けてみよう。しかし12月の海です、それはそれは覚悟が必要です。
 出来るだけ濡れる範囲が少なくなるように工夫しながら、何とかバッグに手をかけましたが、うっ!重い!。道具満載のバッグはかなりの重さです。それでも出来るだけ体を濡らさないように慎重に持ち上げようとしました。
 ところがその時です、バッグの重さに耐え切れず、踏ん張っていた足がズルッと滑ってしまい、海にハマリました。せいぜい腰の深さだろうと思っていたのに何と胸までズっポリとハマリました。これだったら最初から腰まで浸かる覚悟で落ち着いて拾っとけば良かった・・・

 12月といっても真鶴では水温が20度近くあり、意外と温かいのです。最初の印象は、温かい・・・でした。でもそれは海に浸かっている間だけでした。無事に荷物を引き上げて安全な場所に置きなおしましたが、胸から下はずぶ濡れです。そのままでは確実に凍ります。まあ幸いなことに防寒ズボンを持ってましたから、それに履き替えてその日は何とか一日凍らずに釣りをすることが出来ました。
 でもズボンは一日中陽のあたる場所に干してあったのに帰るときにもまだ濡れていて、帰り道の寒いこと・・・

 さて私は12月だったんでまだ良かったんですが、なんと2月の海にどっぷりと浸かった人がいます。誰あろう、ばらさんです。単独釣行で真鶴・白磯に出かけたようですが、あそこの岩はツルツルの一枚岩で、しかも前下がり、スパイクでないとそのまま滑って海に落ちるという難所?です。
 確か数年前、あの岩は垂直に立っていたはずなんですよね。それが最近行ってみるとテーブル状になってるんですが、台風か何かの大波で倒れたのでしょうか?
 それを言ってもばらさんは信用してくれません。どなたか数年前の垂直に立っていた時の事を覚えている方いませんか?

 さてその白磯での出来事ですが、釣っているうちにだんだんと波が大きくなってきたようで、足元を洗うようになってきたらしいんですよね。それでついにバッカンが流されちゃったようなんですが、悲劇はそのバッカンを拾い上げようとした時に起きたようです。
 バッカンて水が一杯になると結構重いんですよね、下手したら持ち上げられないくらい重いです。皆さん一度バッカンに水を一杯に入れて持ち上げてみてください。
 まあ足場の良い所で、しかも腰の丈夫な人なら、もしくはバッカンの一つや二つなんでもないわというマッチョマンならいざ知らず、ご老体で腰の悪いばらさんは、落ちたバッカンを拾い上げようとして、重さに負けてそのまま海にドボンしたそうです。

 2月の海にドップリと浸かった気分はどうだったでしょう。しかもずぶ濡れのまま電車で帰ってきたということです。それで風邪を引かないのはアザラシラッコぐらいでしょう(オットセイとかペンギンでもいいですけど・・・)。

 まあいづれも大事に至らずに済んでいますから、今では笑い話ですが、ひとつ間違えればどうなっていたか分かりませんよね。ですから単独釣行は出来るだけ避けましょう。まあ二人だから安全というわけではないのですが、なんかあった時にやはり心強いです。

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