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 さて一度講座を終了し、続編として安全面を書くと言っていましたが、いろいろな方から肝心の釣り方やコマセの打ち方についての質問があり、急遽続編として、コマセの打ち方と釣り方についてを続けることにしました。

 コマセの作り方と簡単な撒き方については前述していますが、ここではより実践的なコマセの打ち方について少し触れてみます。
 前述したようにコマセはまずその作り方にちょっとばかしコツがあります。慣れてしまえば別にどうということは無いのですが、慣れるまでは何回か失敗もあると思います。

コマセについて
 コマセはオキアミと市販の配合剤を混ぜて使用する物です。ただし、地域や県によってコマセの使用が制限されている場合があります。撒き餌釣りが条例によって制限されている県や地域があるのです。幸いな事に神奈川県は撒き餌の使用が認められているのですが、その他の県では認められていない所が多いので注意が必要です。

 水産庁のHPには、遊漁で使用できる漁具・漁法が県別一覧で紹介されています。ここではまき餌釣りとして一まとめに扱っていますが、厳密にはどのようなまき餌が対象になっているかまでは把握できません。たとえば、オキアミがいけないのか?配合剤がいけないのか?まき餌が全ていけないのか?といった細かい所までは分かりません。ただこの規則の理念から言えば、全てのまき餌釣りが禁止されると解釈すべきだと思います。
−−※省庁の統廃合で、水産庁がなくなり、上記の記載が見当たらなくなりましたので削除します−−

 また神奈川県内でも、たとえば城ヶ島ではサナギの使用が禁止されていたり、初島ではオキアミの使用が禁止されていたり様々です。それらの情報については地元の釣具屋さんに聞くのが一番なのですが、釣具屋さんも商売がありますので、売上に影響するような情報は正確に伝えてくれず、「大丈夫、大丈夫」で済ませてしまう店もあります。

 まあ地元の釣具屋さんが大丈夫と言ったのならそれに甘えてしまうというのも一つの手ではありますが、それも釈然としません。まあ明らかに禁止と書いた看板があったり、注意書きを見つけた場合にはそれに従うべきですね。
どんな配合剤を選ぶか
 さて神奈川県内の釣りで、しかも特定の地域を除くという条件で、コマセの作り方をもう一度おさらいしてみましょう。

 まずオキアミ3kgと市販の配合剤一袋を購入します。配合剤にはいろいろな種類がありますが、木っ端釣りならそんなに高価なものは必要ありませんが、「遠投用」とか「遠投が効く」などと書いてあるものが使いやすいです。遠投用の配合剤はオキアミのまとまりが良くなり、投げた時のバラケが少ないので、狙ったポイントに投げやすく、初心者用に向いていると思います。

 配合剤にはメジナ用とかクロダイ用とか、堤防のサビキ釣り用とかいろいろな種類が出ていますが、一般にクロダイ用の配合剤は比重が重く、海底に溜まるような調合のものが多く、メジナ用のものは比重が軽くあまり沈まないような調合のものが多くなっています。これはそれぞれの魚の食性の違いに合わせたもので、やはり木っ端狙いにはメジナ用の配合剤で、浮かせて釣るようにした方がいいでしょうね。

 前に書いたように凍ったオキアミを砕きながら溶かし、配合剤と混ぜ、海水を加えて完成させます。配合剤によっては袋に適正水量の線がついているものもありますが、大体は感と目分量でやりますので、海水は少しずつ様子を見ながら徐々に加えていくようにします。海水を入れすぎた場合には、配合剤を追加して戻しますので、そのために配合剤は一気に加えずに少し残しておくのを忘れずに!!

 海水の入れ具合は好みの問題もありますが、柄杓ですくってバッカンの壁に押し付けた時に柄杓から垂れたりこぼれたりしない程度の硬さにします。風が強い時には多少硬めにして、バラケずに遠くまで飛ぶようにしたり、餌取が多い時には多少柔らかめにしてバラケさせたり、いろいろなバリエーションがあります。まあその辺はいろいろな状況の中で使いながら探っていくものです。

 そのためにも海水は一気に入れない、配合剤は残しておくということが大切です。波を被ったり、雨が降ったりして水加減が変わってしまうことも結構ありますので、そのためにも配合剤を残しておくか、予備の配合剤を準備しておくことが大事です。

 またバッカンを斜面に斜めに置くと、水分が下に集まりますから、一つのバッカンの中で水分の多い所と少ない所を作ることが出来、状況に応じて使い分けたり、撒く直前に好みの水加減にしてから撒いたりということができるようになります。これは結構便利なテクですから覚えておくといいと思いますよ。
コマセの撒き方は?
 これも前の方に書いたのですが、むやみに遠投しないでできるだけ近くに寄せて釣ることを第一に考えるべきです。堤防などでは足元で釣れますから、足元からあまり離さずに近い所に撒きます。テトラなどではかかった魚がテトラに逃げ込もうとしますので、少し沖目に撒いた方がいいですね。磯場ではできるだけ深そうな所を狙って撒きます。

 これらも基本形ですからいつもその通りとは限りません。特に磯場では海底の地形とか、流れの具合とかでポイントの設定は難しくなります。でもまあ木っ端はどこにでも出てきますからね。あまり細かいことを気にせずにいきましょう。

 コマセは道具の支度をする前に一番最初に作ります。そして出来たコマセを柄杓に5〜6杯撒いてから道具の準備にかかり、しばらくしたらまた2〜3杯撒いて準備を続け、コマセを途切れさせないようにします。ただあまり大量に撒く必要はありませんから、柄杓に数杯づつ、コンスタントに撒くことを心がけます。

 そして道具の支度が出来たら今度は、仕掛けを入れるところに先に1〜2杯撒き、そして仕掛けを入れ、その後でもう1杯を撒きます。これで針に付いた付け餌をコマセの中に漂わせるようにして、当りを待ちます。コマセと付け餌が離れてしまうと喰いが悪くなったりしますので、「コマセを撒く、仕掛けを入れる、もう一度コマセを撒く」というセットで釣り続けます。
効果的な釣り方
 コマセの撒き方は大体こんな感じでいいんでけど、仕掛けの方にも注意しないといけませんね。まずメジナは喰いが立ってくるとだんだん浅い所に浮いてきますから、仕掛けの糸が弛んだ状態では餌だけ取られて針にかかりません。当然浮きも沈まないうちに餌だけなくなる状態になります。

 この状態を回避するためには、道糸から付け餌まで、糸がピンと張っていないといけません。糸が弛んでいると浮きに当りが出ないまま餌だけ取られる状態になります。そこで仕掛けを投入した後、手前に引いてきます。この手前に引いてくる動作で道糸から付け餌までの糸の弛みが取れますから浮きに当りが出やすくなります。

 ですからコマセを撒いた場所よりも遠くに仕掛けを投げ込んで、コマセの場所まで仕掛けを引いてきて、その後で同じ場所にコマセをもう一度撒く、という動作が必要になります。
 さらに上級者は仕掛けを投げ込む時に、サミングといって、糸の出を指で押さえてしまう事をします。このサミングによって仕掛けが着水する時に糸がピンと張った状態にすることができる訳です。

 一連の動作をまとめてみると、コマセを1〜2杯撒く、仕掛けを投入する、その際着水間際にサミングで糸の出を押さえる、コマセを撒いた場所まで仕掛けを引く、もう一度コマセを撒く、という動作になります。
 これらの動作が一連の動作としてできるようになると、そばで釣っている人も「なかなか上手そうな人だ」と思うようになり、いろいろ聞いてこられたりします。

 これですね、隣の人がいろいろ聞いてくるようになれば、他人から見て自分が少し上手い人に見えているということかもしれませんね。後は釣果が着いて来ればもう立派な釣り師でしょう。

 当りは浮きが沈むので分かりますが、浮きの沈み方も様々です。ゆっくり沈んでいったり、素早くぱっと沈んだり。大体ゆっくり沈んだ時にはゆっくり合わせて、素早く沈んだ時には素早くあわせるというのが基本になりますが、その時の状況でいろいろ変わりますから、今日は早合わせがいいとか、じっくり待った方が良いとか、釣りながら考えていくようにします。

 しかし、あまり慌てて合わせる必要は無く、落ち着いてゆっくり合わせる程度で大丈夫です。合わせるといっても、何も竿から音がするほど思い切り立てる必要は無く、ゆっくり糸を張る程度で十分です。木っ端が掛かっていれば糸が張ったときにぐぐーっと引き込みますから、後はそれに負けないように竿を立ててリールを撒いて近くに寄せてくれば大丈夫です。

 木っ端の活性が上がってくると餌を針ごと喉の奥まで飲み込んでしまうようになります。これは仕掛けの張りが少ない証拠ですから、もう少し糸を張るようにすれば、口に掛かりやすくなります。このような状況の時には糸を十分に張っていると浮きが沈むより先に竿先にダイレクトに当りが伝わってきます。突然竿を引っ張られるようになりますが、その時は既に針に掛かっていますから、慌てずにゆっくり巻いてくれば大丈夫です。

 活性の高い状態では、かなり水面まで木っ端が浮いてきていますから、浮きから餌までの長さを縮めて、うんと浅い所を釣るようにします。さらに仕掛けが着水した直後に掛かることも多いので、仕掛けの着水後に素早く糸の弛み(糸ふけ)を取るようにしないと、餌だけ持っていかれます。
マナーについて
 とまあざっとこんな感じかな、上級者は動きが速くて無駄がありません。それは今している事の次には何をするのかという事を常に考えているからでしょうね。そして状況に合わせていろいろとやり方を変えていきます。まあその辺が経験というやつで、初級者にはどうしても真似できない所ですよね。でも誰でも最初は初級者ですからねぇ、初級者でも自信を持って釣りましょう。基本さえ間違えてなければ何も恥ずかしいことはありませんから、堂々と釣ればいいんです。

 ただマナーだけは守りましょうね。狭い所に割り込んだり、人が釣っている前にコマセや仕掛けを投げ込んだりしない、なんてのは基本中の基本ですけど、大きな声を出したり、騒いだりも嫌われますね。

 まず釣り場に着いたら隣の人に一言「ここいいですか?」とか「隣に入らせてもらいます」とか挨拶しましょう。これで掴みはOK。でも人によっては「そこはダメだ」とか「他でやってよ」とかそっけなく言われることもありますので、その時は潔く諦めて他の場所を探しましょう。周りの人と上手くやることが上達の第一歩です。

 それから「初心者ですのでよろしくお願いします」とか言っておくと、何かと親切にしてくれたりしますし、釣れた獲物を分けてくれたり、いろいろ良い事があるかもしれませんよ。ただ人によっては話し掛けられるのがいやだという人もいますので、その辺は様子を見ながら適当に・・・

 また上手そうでよく釣っている人には仕掛けとか釣り方とかいろいろ聞いてみるのもいいと思いますよ。その時は最初に「お上手ですね」とか言っておくと気持ちよく教えてもらえるはずです。でも話し掛けられたくないという人もいますので、その点だけはくれぐれも・・・

 あと大事なことは、釣り場を汚さないこと。ですが上級者でも汚したままで平気だったり、ゴミもそのままだったりする人もいますね、これ困ります。まあ他の人はどうでも自分だけはゴミを捨てない、汚さないという事を守りましょう。

 釣りをやっているとどうしてもコマセが飛び散ったりして汚れますから、帰り際に綺麗に流して帰るというのは当然のことと思っていてください。さらにゴミを置いていかずに持って帰ることも当然の事です。

 できれば帰り際だけでなく、釣り場に着いた最初の動作としてゴミを拾っておくという事を習慣付けたいものですね。

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